大本堂、光明殿、宝照殿の周辺は染井吉野のほか枝垂れ桜や八重桜も美しく、建造物と調和して風情ある春色を演出します。その他、寒桜、安行桜、河津桜、緋寒桜、うこん桜、大島桜、大師桜と多彩です。
現代、桜の代表と言えば染井吉野ですが、その昔は山桜が桜の主役でした。染井吉野の場合、花は一色で散ったあとに葉が出ますが、山桜は様々な色があり、また花と同時に新緑を楽しめるという魅力があります。
西新井大師にてぜひ一度、山桜の魅力にも触れてみてください。
日本の春、日本の文化を象徴する桜。短い期間に美しく咲き誇り、はかなく散っていく様を、古くは「万葉集」や「古今集」、近現代においても多くの文豪たちが作品に記しています。
もともと日本にあった自然の桜は10種類程度だったと言われていますが、室町時代から品種改良が進み、現在は300種以上となっています。染井吉野も品種改良により江戸時代に誕生した桜です。
「お花見」の起源は平安時代、気温によって変化する桜の咲き方により、農民が種をまく時期を推し量っていたこと。その後、貴族たちが桜を花見の対象にするようになり、桜を詠む和歌も急速に増えました。それから現在まで、「お花見」の文化は連綿と引き継がれているのです。